レモングラスと『ルバイヤート』


スーパーに売っているトムヤンクンセットを米粉麺と合体させて

アジアアンライスヌードルを作ってよくお昼に食べる。

なんともレモングラスの香りがよくてライムが南国に連れて行ってくれる

レモングラスの粉でも売っていれば買ってきてと出張の夫に頼む。

これしかなかったとカンボジアのお茶。

DSC_0161 (3)lemongrasspandan tea

レモングラスとパンダンリーフのお茶。

これをカンボジア人が飲むと思えないが外国人あてのお土産だろう。

カンボジアの物価にしては2ドル(200円)とは高価なお茶。


DSC_0162檸檬グラス茶 DSC_0164カンボジア茶


かすかにアロマの香り・・・・でもお料理には使えないな。



最近『ルバイヤート』(四行詩)を読んだ。

オマル・ハイヤーム(omar khayya-m)

11世紀から12世紀のペルシャの科学者、哲学者そして詩人。


もともと無理やり連れだされた世界なんだ。

生きてなやみのほか得るところ何があったか?

今は、何のために来り住みそして去るやら

わかりもしないでしぶしぶ世をさるのだ!




人間なんて何もわからないまま一生を終わるのですね。

昔も今も。

心にしみる詩が多い『ルバイヤート』




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『転がる香港に苔は生えない』

転がる香港に苔は生えない』 (文春文庫、星野博美著、2006)  

このインパクトのある題名、いつか読まなければいけないと何年も思っていた。

すでに私は本文に登場する地名はほとんど知っている。

しかし、この本には私の知らない香港の膨大な情報が閉じ込められていた。

底辺の香港がそこから引っ張り出され、圧倒されながら読んだ。

それは香港というより香港の人間の歴史。

生きている人間が生活している様が描かれている。

成功したお金持ちやそうではない人・・・・・

人の体温が感じられて読み終えるとなぜか涙が出た。

私はやっぱり香港が好きだ。

香港の特異性は、香港のほとんどの人が元々は他の地から流れてきた人たちであること。

そして土地も、国家も信用できず、自分で自分たちを守るものをサッサと手に入れて、

次のステップへいかなければという切迫感。追われているのだ。

その切迫感が社会の熱気と活力と混沌を生む。

みんなが感じるアジアのエネルギーというもの。

本当は切迫感や悲壮感を香港人は感じているのに・・・上手くできてるなあ。

そういうマイナスな要素を香港人自身が自らとお互い癒し救うために

陰鬱さのない憎めない香港人気質が出来上がっているのだ。

1997年7月1日に中国返還そして「50年後不変」も後30年あまり・・・

まだ先の見えない社会が確実に待っている。

香港は次から次へと問題を抱え、各々が瞬時に判断し

方向転換し解決していかなければならない。

だからお金が必要となる。

銀行(株)や不動産、資産としての貴金属。

香港に来るとそういった店舗がすぐ目に飛び込んでくるだろう。

それは香港社会が必要としているから。

日本のような社会保障も手薄。自己責任で何もかもしなければいけない。

香港に骨を埋める覚悟がない人、いつか母国へ帰る私たちが

太刀打ちできる場所ではないのだ。

しかし作者が書いているように「香港は香港を必要とするすべての人間のもの

私もそう思う。

体温を感じる香港、BGMさえあればそこはドラマの中のようにいろいろなことがおこる街角。

世界に香港があってよかったと私も思う。

003文春文庫


グルメだけでない香港を知るために読んでみてほしい一冊です。

                          (第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞)







香港のリノヴェーション

上環ビル内装(上環)

マンションでも商業ビルでも香港の建物は古いことで価値が下がるという事はまれ。

大抵が見違えるようにリノヴェーション。

上を見上げると古いビルでもビルのグランドフロアーは新しい建物のようになっていることはよく見られる。

写真のこのビルもたぶんグランドフロアーと一階(日本式では一階と二階)を

すっかり重厚な内装に変化させるのでしょう。

いくらビルが古くても大理石などの石を多用する事で高価な内装ができるんですよね。

地震がないことも工事の大胆さに拍車をかけます。

CWBビル群 CWB fasion waik1(銅鑼湾)

あっと言う間に街が変わっていきます。

小さいおうち

先日香港のメイドさんのことを書いたが

最近読んだ『小さいおうち』(中島京子著 文春文庫)から気になったことを少し。

これは前回日本行の飛行機の中で、映画もみた。

個人的にはこれは昭和の戦前から戦後の話しが中心で甥の登場は必要なのかななんて思う。

戦前のほんわかとした日常から誰もが知らず知らずに戦争に巻き込まれる。

そういう恐ろしさもある。

この恐ろしさは気づいておかないといけないかもしれない。

本の中の主役は女中のタキ。

そうだ日本には女中がいたのだ。

Wikiで調べると

近世の日本では、宮中、武家屋敷や商家に住み込みの形で雇用され、接客や炊事などを行う女性の事を女中と呼んだ。特に接客や、雇用者夫妻の身の回りの世話に関わる女性が上女中(かみじょちゅう)と呼ばれ、炊事や掃除などを行い、水回りを担当する下女中(しもじょちゅう、あるいは下女)とは明確に区別された。

商家や上層農家の娘などが、本家や豪商のもとへ数年間奉公に出る際に、上女中として仕える習わし(行儀見習い)があり、結婚前の女性に対する礼儀作法や家事の見習いという位置づけがなされていた。雇用者夫妻の身の回りの世話をはじめ、外出のお伴、子弟の養育、仏壇回りや上座敷の掃除などを担い、使いに出る際、帰宅した際には雇用者夫妻に口上を述べた。また、雇用者宅を訪ねる客人への接待を通じて、物言いや挨拶の仕方を会得しつつ、人物を見る目を養ったとされる。並行して、裁縫、生け花、お茶などの女性としてのたしなみを身につけた。上女中を経験した女性の多くは、武家や商家の妻に納まっている。

当時の日本では身分制度が確立されていたために、女中と雇用者夫妻との間には単なる契約関係を越えた主従関係も見られた。


つまり昭和の初めも裕福な家庭ではこういう歴史をもつ女中がまだいたのだ。

文中にもあるが『よい女中なくしてよい家庭はない』ということ。
そしてよい女中とは「ある種の頭の良さ」だという。

ご主人にとってこれがいいことか悪いことか判断する頭の良さ。

女中とはかなりハードルの高い仕事であろう。

この物語はある密やかな恋愛について回顧する物語と紹介されている。

しかし甥の健史はタキが晩年にノートに書き残しておきたいと願ったことの正体が分からないとある。

私は密やかな恋愛の回顧だけでは収まらないタキの気持ちが溢れている作品だと思う。

自分が憧れ慕う時子奥様や自分の子供のような恭一坊ちゃんが嘆き悲しむ事がないように

彼らに献身しようと決心しているタキ。

自己犠牲や愛情が混ざった感情をどのように言葉に置き換えられるのか?

自分の生きがいとなった平井家の生活はタキにとってかけがえのない大切な日々。

時子が慕う板倉に対してふと心をかすめるメランコリーな気持ちなど

タキにとってただの言葉は感情をせき止めてしまうはず。

そして不本意な時代。

タキが書き留めておきたかったものは言葉で書けない目に見えない何か。

平井家の愛する人々の生活は自分が守ったというプライドもあり

彼女は幸せな女中生活だったに違いない。

それにしても映画の松たか子ぴったりだったな。

勿論,この作品で第64回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を獲得した黒木華もだ。

特に印象に残るのは時子の主人の平井。

歴史的家族制度から少しは近代的になっているが、

あの時代の仕事と戦争の話しかしないつまらない男性の象徴として描かれているように思う。

この本を読むと今の契約のお手伝いさんとの落差に愕然とする。

『タキちゃん、これどう思う?』なんて聞く時子の声が聞こえそう。

いろいろ相談できる信頼おける女中さんがいたらどんなにいいだろう。

政治家におすすめの本

私の好きなブログ『阿鼻叫喚』のウォーリックさんも書いておられるヤジ問題。

このヤジ、根は深い。

日本はいまだに伝統的家族制度から抜けきらない。

昔読んだ本の中に描かれる女性を思い浮かべた。

夏目漱石 『行人』、志賀直哉 『和解』

もっと古いところで徳田秋声 『新世帯』

小説に描かれた女性の歯がゆいまでの我慢。

明治、大正、昭和の女性の犠牲の上に今では女性の地位は格段に向上した。

しかし、今回のヤジ問題では女性を活用しようという政策を掲げる政治家の

意識の実態を目の当たりに見せつけた。

ヤジの男性議員のご希望はひょっとして「伝統的家族制度」?

そしてもう一つ気になること。

「美しい日本」とよく安倍総理はおっしゃる。

美しいとは何か?

安倍総理が何かにとりつかれたような勢いで突き進む集団的自衛権の行使容認。

「美しい日本」のキャッチコピーはそういう意味なの?

「産んでから言え」や「産めないのか」のヤジの裏に見え隠れする思想。

「美しい日本」と「産めないのか」なんだかよく似ている。

さて安倍総理におすすめはこの2冊(個人的理解の基)

大きな目的が善であれば、一つぐらいの悪業は許されるという理論によって

殺人をおこし、苦悩する人物が描かれた

ドストエフスキー『罪と罰』

戦争という危機に、人間のエゴイズムや偽善、残酷さが描きだされた

モーパッサン『脂肪のかたまり』

ヤジを言った皆さんには人間の不条理を描いた

カミュ『異邦人』がおすすめ

主人公ムルソーは真理のためにうそをつくことを拒否した。

真理のためにママンの死に涙を流さなかったムルソー。

一方途端に低次元になるが、議員たちの生きる政治の社会では一緒に野次を飛ばさないと

議会の中では異邦人とみなされるとでも思ったでしょうか?

一緒になって笑っていた議員たちも、問題として取り合わなかった議長も異邦人になるのは嫌だった?

真理はどこにあるのでしょうか?政治の哲学はどこにあるのでしょうか?

プロの政治家は日本にいるのでしょうか?

さらに自分の行いを隠すために嘘をついたなんて・・・・


戦争に行った人たちは戦争はどんなことがあってもだめだと重い口を開けておっしゃる。

核は絶対駄目だと、長崎、広島の人たちは言う。

妊娠、子育てが安心してできる社会が構築されれば

働きたいと大勢の日本女性は切実に願っている。

プロの政治家はこういう声を真摯に受け止めるべきでしょう。


最後に政治家の皆さんにこの本をおすすめ

19世紀のドイツ文学ゴットヘルフ『黒い蜘蛛』

スイスの民話が素材の本だけれど

かつて人間を苦しめた邪悪な蜘蛛を閉じ込めてあった柱の栓を思い上がりが強くなった人間が抜く・・・

その後、人間たちの心に再び蜘蛛の恐怖が襲う。

その恐怖をなくすために、犠牲になるのは幼子や清い心の持ち主。

命と引き変えにまた蜘蛛を穴に押しこめなければいけない。

思い上がりが強くなった人間が邪悪な蜘蛛を穴から出してはいけない。

過去の悪を再び引っ張りだしてはいけない。



     
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