文学のメロンボール

メロンボールとはメロンを器にして、オレンジ、いちご、ブルーベリー、パパイヤなど色鮮やかなフルーツを載せた食べる宝石箱。メロンボールに文学や生活の小話を食べやすい形にカットして盛り付けたいです。

梅とトゥルゲーネフ『初恋』 

植物が自然の法則どおり毎年繰り返してくれるのは本当にうれしいことです。
またウメの季節
甘いかぐわしい香りに誘われて今年も梅干しや梅酒にします。
梅

ウメは本当にかわいい
手にとってながめてよしよし。
こんなかわいいウメがすっぱい梅干しや梅酒に変身。

                         

今日は甘酸っぱい気持ちから
トゥルゲーネフ(1818-1883)の『初恋』をメロンボールに盛りつけます。

19世紀はロシア文学界では、そうそうたるメンバーが登場します。
プーシキン、ゴーゴリ、トゥルゲーネフ、ドストエフスキー、トルストイ。
政治的には古い農奴制から資本主義経済へと変動。
トゥルゲーネフも貴族でありながら農奴制と戦う決意をもって
『猟人日記』をはじめ社会の精神問題に積極的にむきあいます

二葉亭四迷にも大きく影響を与え、日本の明治文学は自然を見る目を教えられます。
そういえば日本のそれまでの代表的樹木は、松ぐらいだった??
トゥルゲーネフの人物の心情の動きに自然描写をかぶせる手法は
『初恋』にも発揮されています。

                        

その中で青春について書かれた箇所があります。
      
       青春に魅力があるとしたら、その魅力の秘密は、
       なんでもできるというところにではなく、
       なんでもできると思えるというところにあるのかもしれません。・・・

       ・・・持てる力を他に使いようがないまま無駄遣いしてしまう、
       そこにこそ青春の魅力が潜んでいるのかもしれません。(『初恋』光文社、訳 沼野恭子)

              
                            


      そして主人公のウラジーミルは思います。
      「早くも人生に夕闇が迫ってきた今頃になって、春の暁にあっというまに過ぎていった
      雷雨の思い出ほどみずみずしく愛しいものはないということがようやくわかりました。」


みずみずしいウメをながめながら、人生の夕闇が迫る前にいろいろなことしなっくっちゃ・・・なんて
でも人生の夕闇?甘酸っぱいなあ
人生の美しい夕焼けぐらいにしてほしいね。。


                               
      
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小さい頃とゴーリキィ『幼年時代』 

記憶に残る小さいころの思い出は、人さまざま。
私は、なんだか食べ物に関したものが多いな。

たとえば、有馬温泉ではじめて飲んだサイダー・・・衝撃のおいしさだった。
不二家のケーキもとってもハイカラなお菓子。
家の前栽(せんざい:念のため説明しますと、縁側に面した庭)
の築山でペコちゃんの真似をして、髪を結び舌をくるりと
出して写っている写真があります。
昭和の真っ只中。ちびまるこチャンのような私でした。

そんなのほほんと育った私の前に差し出されたこの作品は衝撃的。
今日はゴーリキィ(1868-1936)の『幼年時代』をメロンボールに盛り付けます。

これはゴーリキィの自伝。同じ自伝でもトルストイの『少年時代』とは
大きな差があります。トルストイは名門貴族の出、ゴーリキィは『どん底』でも有名
ですが、下層の社会に生まれます。無知と暴力と貧困。ゴーリキイ少年
の目に映る劣悪な環境。その原因がどこからくるのか。19世紀のロシア全体
の問題として、利益を追求する階級の人々を激しく告発した作品。
でもどんどん読みすすんでいけるのは、ゴーリキイを育てた祖母への暖かいまなざし
と彼の描写力。一度はよんでほしい作品です。

ゴーリキイもトルストイも私もみんなも環境や時代が違っても同じ人間。
そう感じますね。どんなときでも人へのおもいやり忘れないで。しんみり

あっそういえば、小さいころの思い出のものに、行水(ぎょうずい)があります。カナダライって
知ってるかな?ダライラマじゃないよ。
もっと古いこと知ってるって!失礼しました。


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桜とチェーホフ 

さくらが満開ですね。
この時期はホントにきれいで、日本人でよかった〜なんて思ったり
するんですね。でもどうして日本人はさくらが好きなんでしょうか。

私も考えて見ました。
日本って、スケールが大きいという形容詞の景色がなかなかないですね。
でもさくらはどうでしょう。

日本の端から端まで、あの淡い色のベールで日本中を覆い隠してくれる。
大きく広げた枝ぶりは視線を上に上に誘います。
さくらを見るときれいな色とそのスケールに感嘆の声をあげ、なんだか気持ちまで大きくなります。
この豊かな気持ちが日本人をひきつけるのではないでしょうか。
これ私の考え。どうでしょうか。

ところで、さくらといえばロシア文学チェーホフの『桜の園』。
有名な彼の四大戯曲の一つです。
明治30年ごろ日本では多くの作家がロシア文学から影響を受けます。
たとえば国木田独歩がツルゲーネフから影響を受け『武蔵野』を書き、
徳富蘆花はトルストイに傾倒します。

チェ-ホフの『桜の園』は没落貴族が、元農奴の息子である商人に桜の園を買い取られる話。
時代の変化に気づかず、古い誇りだけに頼る貴族の悲哀が描かれてます。
でも、活気に満ちた新しい秩序の側から見れば、この作品は喜劇とさえ受け取ることもできるんです。

貴族の富の象徴としたのが桜
チェーホフは、桜の美しさとスケールの大きさに
富の豊かさを感じたのでしょうか。

『桜の園』は古い秩序が新しい秩序への移行の過程での人々の葛藤が描かれています。
時代は立ち止まることなく今も動いてます。毎日毎日ね。
人々の葛藤。。私たちのことでしょうか。

とにかく今年のさくらも見逃さないように見に行きましょう。






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