バベットの晩餐会

久しく文学から遠のいているこのブログ

今回読んだ文庫があり、しかもyoutubeで映画も見ることができたので

久々にメロンボールに盛り付けます。

『バベットの晩餐会』(ちくま文庫、1992、桝田啓介訳)

英語版の作者名としてイサク・ディーネセンという男性名を使っている、

デンマークの女流作家カレン・ブリクセン(1885-1962)の作品。

彼女が1958年に描いた『運命譚』の中の一遍で

1987年にはアカデミー賞最優秀外国語映画賞に輝く。

映画も1時間半ほどの短編で、本も同時進行で読めました


人間は音楽であっても、絵画であっても

自然の言葉を理解する本当の芸術家を通してのみ、

自然の畏敬を感じることができる。

この作品では、バベットという女性が作る芸術的な食事が、時を超越し、

世俗をも忘れさせ、人々に「至福千年」を与え、

本来の人間の心を取り戻させるという芸術賛歌の映画です。

二人の美人姉妹の前にあらわれたバペットという謎の女性は、

芸術の化身のように見えます。

映画から見える掃除の行き届いた台所

完璧に磨かれたワイングラスやプレート

新鮮な素材(フランス人も何でも食べるんだなあといつも感心しますが・・・)

そしてその手際よさ。

必要なもの以外は何もないという潔さ。

これは日本人が好む潔さにも通じるような気がします。


バペットが何もかもやり終えた台所で、アモンティラードを一口のむ姿は

芸術家が、自然から享受したものを、真・美として

人々の目の前に示せた安堵と至福の姿のようです。

バベットの晩餐会で出されたもの書き出すと

料理

海亀のスープ

ブリニのデミドフ風(ロシアのそば粉パンケーキ、サワークリームとキャビアが乗せてある)

カーユ・アン・サルコファージュ(うずらの石棺風パイ詰め)

飲み物

アモンティラード(ワイン)

1860年もののクリコ(理性に支配される将軍にはグラスが空になる暇がないほど注がれる)

デザート

クグロフのケーキ (これは原作にはなかった・・・)

さまざまな果物 (宗教的な意味合いでしょう)

葡萄、桃、無花果 (映画にはパイナップルも)



心をこめた料理って、芸術的でなくても

人の琴線に訴えることもできますね

食事って大事
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りんごとオー・ヘンリー『賢者の贈り物』

りんごの季節がやってきました

りんご

りんごと言えば以前何かで読んだ印象的な文章があります。
それは汽車の中の老夫婦の話。
汽車の中でおばあさんがりんごをむきはじめます。
きれいにむいたひとつをおじいさんに渡します。
おじいさんも無言でそれを食べ始めます。
その作者はおじいさんはその時本当にりんごを食べたかったんだろうかという
コミュニケーション不足の提言だった。

                          

今日はオー・ヘンリーの『賢者の贈り物』をメロンボールに盛りつけます。
あまりにも有名。
デラとジムの貧しい二人。
二人が持っているのはデラのうつくしい髪とジムの金時計だけ。
クリスマスの贈り物にお互いが渡したもの、それが櫛と金時計の鎖。
それを買うためにお互いは唯一持っていたものをすでに売っていたんですね

こんな話私もいつか書きたい!!

英語で「The Gift of the Magi 」 Magiとは東方の賢者だけど昔の魔法使いの意味も。
魔法のようにびっくりするような贈り物。そしてそれはあまりにも美しい思いやりの心です。

                          

さてコミュニケーションはとっても重要、だけどデラとジムが
合理的にコミュニケーションを取っていたらこんな美しい話はうまれなかったはず。
先ほどのおじいさんとおばあさんもお互いの思いやりの心で
心温まる風景が出来上がったのでは・・・

もちろんおじいさんはあの時おなかいっぱいでりんごなんか食べたくなかったかも知れない、
入れ歯では噛みにくいしな~なんて思ったかもしれない。
でもおばあさんがむいてくれたんだからってやさしい思いやりで食べたんでしょうね。

コミュニケーションと思いやり、この二本立てでなきゃね

アダムとイブのりんご。
「ダ・ヴィンチ コード」のキーワードも当然APPLEでしたね。
神話から現代まで、欧米世界ではりんごは不滅です。

日本でもりんごはおいしくてエライよ。
食べながらふと思った。
りんごをむく手に思いやり・・・こんな標語はどうかしら

メロンボールとトルーマン・カポーティ『ミリアム』

銀座コロンバンのメロンボールはなんと「ムロン」と言います。
デパ地下で足を止めてしまいました。

コロンバンのムロン小

ムロンはフランス語でメロンのことだそうなので、そんなに驚くことはないけど、
一瞬「無論」って漢字が頭をよぎったよ。

ねっ、ねっ、やっぱりメロンボールは

       果物の宝石箱や~でしょ!

                       
                          

今日はアメリカ20世紀の小説家トルーマン・カポーティの『ミリアム』を
メロンボールに盛りつけます。
彼の名前を知らなくても『ティファニーで昼食を』はご存じのはず。
ムーンリバーラ~ララララ失礼いたしました

                         

彼はゴシップにまみれた後年でしたが、幼いころは孤児のような悲しい生活を送ります。
そのせいでしょうか、人の心の闇や孤独、自分という存在の不安定さを描きだします。

この『ミリアム』は自分を見失いそして自立していく女性を描いています。
作品全体に『ティファニーで朝食を』と同じように都会的な雰囲気が漂っていますね

自分と同じ名前の謎の少女ミリアムは、宝石箱から別れた夫の贈り物である
カメオのブローチをもっていってしまう。
彼の作品の中に出てくるj宝石は、切ないものの象徴かも知れない


  「彼女はレキシントン街を走るバスに乗り、北に向かい八十六丁目までいった。
   ・・・・何が欲しいのか、何が必要なのか、
   考えはなかったが、彼女は、通りをぶらぶら歩いていった。
   元気よく、傍目もふらずに歩いている通行人たちだけを眺めた。
   彼らを見ていると、彼女は、自分がひとりぼっちになったようで
   心が落ち着かなかった。」(新潮社)

                       

自分に自信のないとき、自分を見失いそうになったとき、
大勢の人の中での孤独を感じることは容易に理解できますね
この小説では主人公が最後に自分が頼りにし、信じることができる人間は誰なのか?
その答えをはっきりと自覚します。



   やっぱりたどり着くところは人間「自立」「自律」です。
   そろそろ私も・・・・
   ムロンを食べてよーく考えます。
   冷たくしていただきます~


     
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