2008.11.01(Sat)
子どもの心とヘルマン・ヘッセ『車輪の下』
この間のエアロビ教室、
ハロウィンの仮装の格好でダンスをしました。
(可愛く変身したことを仮装とよぶなんていやですね~)
久々に大笑い。楽しいですね。素の自分って。
人間っていくつになっても子どもの時の心を持ってるもんです
今日はヘルマン・ヘッセ『車輪の下』をメロンボールに盛りつけます。
これは「若い時読んだ、読んだ!」という人が大勢いると思う。
でも今読んでみると深いよ~。
今誰かにお勧めの本は?って聞かれたら即答でこの本を薦めます
天分のある優秀なハンスが州の試験にパスし、神学校へ入学する。
それは愉快で、美しい自由な少年のあらゆる喜びと引き換えてのこと
しかし、その後のハンスは苦しみと孤独で心がすさみ不幸がつづいていく。
神学校をやめ機械工になるハンスは、仲間との享楽の帰り、
幼年時代の輝く思い出の川で溺れて死んでしまう。
大人たちはあれほど天分のあった子がどうして人生の坂をころげ落ちたのかと思う。
こういうことってたまにありますよね~
そしてこうなった原因に気付く大人はすくない。
くつ屋がぽつりという。
「あんたとわしもたぶんあの子のためにいろいろ手ぬかりをしてきたんじゃ。
そうは思いませんかな?」
こどもの悲壮な叫びが聞こえてきそうな文章があります。
「なぜ彼は最も感じやすい危険な少年時代に
毎日夜中まで勉強しなければならなかったのか。
なぜ彼から飼いウサギをとりあげてしまったのか。
なぜラテン語学校で故意に彼を友達から遠ざけてしまったのか。
なぜ魚釣りをしたり、ぶらぶら遊んだりするのをとめたのか。
なぜ心身をすりへらすようなくだらない名誉心の空虚な低級な理想をつぎこんだのか。
なぜ試験のあとでさえも、当然休むべき休暇を彼にあたえなかったのか。
いまやくたくたにされた子馬は道ばたに倒れて、もう物の役にもたたなくなった」
(新潮文庫p145)
これはヘッセの自伝小説ともいわれます。
彼はいつも幼年時代の自然な人間観を気付かせてくれます。
美しい自由なこどもの喜びや
彼らの自由な魂を精神を、踏みにじることがないように・・・
お受験ママ、よーく聞いてね
大人もこどもの素直な目で
もっともっとひとつひとつものごとを
丁寧に見つめたいものです。
やはりヘッセはすごいな
ところで『車輪の下』って本当の車や汽車の車輪だと思ってた人いないでしょうね??
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