文学のメロンボール

メロンボールとはメロンを器にして、オレンジ、いちご、ブルーベリー、パパイヤなど色鮮やかなフルーツを載せた食べる宝石箱。メロンボールに文学や生活の小話を食べやすい形にカットして盛り付けたいです。

GWとヴェルヌ『海底二万里』 

ゴールデンウイークまっただ中。
今年は天気にめぐまれよかったですね。
日本の景気が気になる昨今。観光地もまずまずだったのではないでしょうか。

渋滞をさけ、ひっそりとたたずむ温泉を見つけゆったり
新鮮な野菜を求め近場のアグリセンターを回ったり、今年はゆっくり時間を過ごしてます。
リース赤いつる極小
この連休にはディズニーランドに行った人も多いはず。
ディズニーシーにも取り入れられているこの作品。
今回はジュール・ヴェルヌ(1828−1905)の『海底二万里』を
メロンボールに盛りつけます。
                     
ヴェルヌは、ロワール地方で生まれます。
ロワール川の中州にあるフェイド島には
船員たちが立ち寄り異国情緒が漂っていたそうです。
彼はその地から離れることなくブルジョワ生活をおくります。
抑圧された環境の中、想像から物語を生み出します。

この作品以外にも『八十日間世界の旅』『五週間風船旅行』や
『地底旅行』に『漂う都市』書いたらキリがありません。

『海底二万里』(1870)はネモ船長と
海洋生物学者たちのノーチラス号での海の旅。
ネモ(「NO ONE」誰もいないの意)は、謎の船長。
潜水艦ノーチラスで酸素の持続時間と戦います。
ヴェルヌは閉鎖された空間での危機に
時間との戦いという近代性を打ち出します。

日常から非日常での出来事。
これは真の大人になるためのプロセスとして捉えられます。
19世紀は自然科学の発見が相次いだ時代。
科学的なものの見方が重要視された一方、小説の世界では
不可視の世界へのあこがれや言語の神秘への強い関心が起こります。

未来予知で科学的で幻想的。
現代のさまざまな分野で参考にされ影響を与えています。

夢と冒険。私の好きな言葉です。
でもアトラクションはね・・・キャー、ウオー

                        



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やさしい人とモーパッサン『脂肪のかたまり』 

世の中には本当にやさしい人がいますね。
今日は私のためにお弁当を作ってきてくれた人がいました。
細かく刻んだ野菜のドライカレー。ほんのり甘いので聞くと
ゆず茶のシロップを入れたとのこと。デザートも付いて、ホントにおいしかった
Nさんに感謝。ありがとう

今日のメロンボールに盛り付けるのは、残念ながら
こんないい人とは反対の人間が描かれた作品です。
ギ・ド・モーパッサン(1850-1893)の『脂肪のかたまり』。
すごい題名でしょ。

モーパッサンといえば『女の一生』で有名ですが、
彼は短い生涯の中、10年間ほどしか作家活動をしていません。
長編が少なく、短編は300近く書いてます。その中の一遍。

プール・ド・シュイフとは「脂肪のかたまり」という意味で、
太っていることから娼婦に付けられたあだ名。

占領下を抜け出し同じ馬車にのる十人の六日間の旅のお話。
馬車の中で、上流階級の人間と、下層な地位の娼婦。
彼女はさげすまれるが、上流階級の人間は彼女を偽善で
大いに利用する。

利用価値がなくなるとすぐさま、冷酷に扱われる。
上流階級の俗悪な人間性を皮肉と滑稽さを交え、
徹底的に描き出す。

簡潔な文章で読みやすいのでお勧め

人間は俗物的な社会に生きる以上、俗物的にになってしまうのでしょうか。

芭蕉は
  「物ほしや袋のうちの月と花」といってます。
  布袋様の袋の中は月と花が入っているから、それがほしいと・・・

私にはあの袋には、金銀お宝がいっぱい入っているような
そんな気がするんですが、
ひょっとしてこれって、俗物的?

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ロマン主義と『オンディーヌ』 

理性によって冷静に論理的に思考できるタイプ
想像と空想が優位に立つ感性によって羽ばたくタイプ
あなたはどちらでしょう?
私は断然後者です。
いつもなんかそんな気がする〜なんて言ってます。

空想の自由を主張するのはロマン主義。
近代思想の結果です。知的な機智にとんでます。
日本でのロマン主義の代表は泉鏡花でしょうか。
日本では浪漫って書きますね。いいですね

今日はジャン・ジロドゥーの演劇『オンディーヌ』(1939)をメロンボールに。
人間の愚味をテーマにしたこの作品は実は、ドイツ浪漫派のフーケのメルヘン
『ウンディーネ』(1811)からとってます。
だからオンディーヌはフランス語ウンディーネはドイツ語ということになります

話の内容は水の精オンディーヌが人間の不誠実さに裏切られる物語です。
人間の姿で神から人間界に送られることになったオンディーヌ。
神からオンディーヌを裏切った恋の相手は死に至ると託宣を受けます。
伝統を無視し、天真らんまんな水の精オンディーヌ。
結局オンディーヌを捨てたハンスは神に命を奪われます。
神はオンディーヌの人間世界の記憶を一切抹消させ、彼女の悲しみを消します。
死んで横たわる恋の相手ハンスを見てオンディーヌはこの人が誰であるか聞き、
もし彼が生きていたらきっと好きになったのにとつぶやきます。

これはメルヘンでなので、論理的な人は何だと思うかもしれません。
でも、人間の精神とは何だろうと感じる人は
まさしくロマン主義者でしょう。
ロマン主義の定義は現実を否定し自我の確立を目指すもので
永遠の真理を求める思潮です。

でもそんなに難しく考えなくても、たまには心って何だろう
自分に問いかけても悪くはないもんです。
好きになるのに理由なんてないとは、よく言ったもんです。
オンディーヌの最後の言葉は切ないと思いませんか
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